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習慣的に朝の六時に目が覚めた。
身体がだるい。
うつぶせになって寝ていたせいか目がちゃんと開かない。
しかも、認めたくないが同じベッドには裸の男が寝ていた。
「やっぱり・・・夢ではないな」
ため息と共に呟く。
よりにもよってあのサニーサイドと一夜を共にしてしまったのだ!!
最近はずっと精神的に不安定で、
理由などわかっているが・・・どうしようもなく、いらいらうつうつとしているところに、
サニーサイドに酒を飲みに行かないかと勧められて、「ヤケ酒もいいかな」と付き合ったのがいけなかった。
二人ともしこたま酔っぱらってバーを出て、何がどうなってそんなことになったのか覚えていないが、
サニーサイドも僕の部屋に入ってきた。
深夜に二人っきりの部屋で、酔っ払った男女のすることなんてひとつだ。
サニーサイドは目で誘ってきて、僕は何も言わずに応えた。
二人とも終始ほとんど無言だった。
時折サニーサイドがハジメテの僕を気遣う言葉を発するくらいで。
あとは喘ぎ声とかくちゅくちゅいう音ばかりが部屋に響いて、痛みとか快感よりもリアルに感じた。
想像していたよりは良かった・・・
サニーサイドって上手いのかな?
上手そうだよな。
場数踏んでそうだし。
そんなことを考えているうちに、昨夜の仔細なことまで思い出してしまって、一人赤面した。
(あぁ・・・もう)
恥ずかしいことをたくさんされたし、自分でもしたと思う。
例えばサニーサイドの男性器を唇で愛撫したりー
(こんなことでは駄目だ)
昨夜の名残に浸ってしまう自分を叱咤し、ベッドから下り、ローブを身に纏う。
何気なく覗いた鏡の前で凍りついた。
「なっ・・・」
目蓋が重たるく腫れ、輪郭のラインも緩んでいる。
髪は酷く寝乱れ、所々で乾いた精液が付着し、絡みあって縺れている。
「なんで様だ」
唖然としてしまう。
「どうしたの?」
サニーサイドがいつのまにか僕の後ろまで来ていて、やんわりと抱きしめられていた。
「顔が・・・」
「あぁ」
鏡のなかの昴を覗き込んだサニーサイドは納得したように頷いた。
「可愛いよ」
あまりこれまで言われたことのない形容詞だった。
「いまだかつてなく不細工だ」
「そんなことはないよ」
サニーサイドの手の甲が頬を撫でる。
「今の昴はけだるげだけど、
吹っ切れた感じがして可愛いよ」
確かにずっと胸を渦巻いていたどろどろとした感情は、きれいさっぱり消えていた。
「昨日はハジメテだったから特に大変だっただけだしね・・・」
確かに昨夜の余韻を一切感じさせないサニーサイドは、ウィンクを寄越して、
「こういうことは慣れだしね」と付け加えた。
「大丈夫。シャワー浴びて、気分を変えれば直るよ」
「あぁ、浴びてくるよ」
そう言って、サニーサイドの腕から抜けようとした僕は、反対にぎゅっと抱きしめられ、
「一緒に入ろう・・・」
と耳元で囁かれた。
別にもう酔っているわけでも、深夜なわけでもないのに、拒絶する気にはならず、
僕はサニーサイドに軽々と抱き上げられ、バスルームに運ばれた。
これがサニーサイドとの始まりだった。
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